49 日本保健医療社会学会大会

49th Annual Meeting of The Japanese Society of Health and Medical Sociology

実践の場をひらく――研究の可能性の再発見

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第49回大会長あいさつ

第49回大会は、「実践の場をひらく――研究の可能性の再発見」をテーマとして、2023年5月27日(土)・28日(日)の両日に、東京都立大学荒川キャンパスにて対面で開催を予定しております。

テーマの「実践の場をひらく」には、幾つかの意味を込めております。

第一に、サブテーマにある「研究の可能性の再発見」という意味を含みます。新型コロナウイルスのパンデミックによって、日本保健医療社会学会が関心をもつ多様な実践の場での調査が、長期にわたって制約を受けてきました。本学会会員の皆様は、その渦中にあって、調査の予定を変更したり、研究計画自体を変更したりして、対応をされていることと思います。調査ができずに悔しい思いをしながらも、少しでも可能な方法で研究を再開したり、これまで得てきたデータをもとにまとめを進めたり、されているのではないでしょうか。そのような研究成果を共有する場として、第49回大会が位置付けられることを願って、あるいは、この大会での発表をめざして研究成果をまとめて頂きたい、発表を通じて研究成果の広まりや深まりを体験して頂きたい、という願いを込めてこのテーマとしました。

第二に、本学会の会員の皆様がフィールドとする実践の場は、研究によって様々な意味が与えられます。それによって、大会テーマにもある「実践の場をひらく」ことが実現します。その意味で、大会テーマは、調査をすること、そこから成果を得ること、つまり研究という実践自体を意味しております。その成果は、私たちの手元に留まっておりません。実践から得た成果は、多様な道筋を通って実践の場へと戻っていきます。そのような循環は、保健医療社会学の知の構築と還元、更には発展という循環を作っていく可能性を与えます。

第三に、研究に取り組む中で、私たちは苦しい思いをしたり、躓いたり悩んだりすることがありますが、他方で、新たな何かを発見した時には、楽しくなってきたりワクワクしたりします。大会テーマ、サブテーマは、こうした気持ちを分かち合う場にしたい、という意味も込めております。

対面開催によってこそ、この分かち合いを実現できると考えました。企画としては、大会シンポジウムと理事会企画シンポジウムを予定しております。本大会が、多くの参加者の皆様にとって、対面での再会の機会となり、また、研究成果について熱い議論を交わす場となりますことを楽しみにしております。荒川キャンパスにて、皆様のご参加をお待ちしております。

第49回大会長 西村ユミ(東京都立大学)